4日、石川県を襲った記録的な豪雨で、これまでに2人がけがをし、250棟以上に浸水などの被害が出ました。大雨から一夜が明け、被害の全容が徐々に明らかになってきました。

5日朝も浸水が続いた小松市古府町 画面上は氾濫した梯川


石川県は4日、加賀地方を中心に記録的な大雨に襲われ、白山市や小松市では降り始めからの雨量が400ミリ近くに上りました。

小松市を流れる梯川には警戒レベル5に当たる氾濫発生情報が発表され、小松市の全域や白山市の山沿いの地区に緊急安全確保が発表されるなど、県内のおよそ39万人に一時、避難指示などが出されました。

白山市と、岐阜県を結ぶ「白山白川郷ホワイトロード」は、沢にかかる道路がえぐり取られ、崩落しました。

大規模な浸水が発生した小松市では、氾濫した梯川の周辺で5日も浸水が続いたほか、木場潟の周辺でも道路や水田が冠水していました。

雨が止んでも「家に帰れない」山奥の集落で道路寸断


一時孤立状態になり、甚大な被害が出た石川県小松市山間部の中ノ峠町。4日午後2時ごろに住民が撮影した映像には、すさまじい勢いで住宅地を流れる濁流が捉えられていました。

集落では、雨が止んだ5日の朝も大量の水が流れていました。この先には十数軒の住宅がありますが、道路が流れ込む水の勢いで崩され、様子を見に来た住民も自宅に帰れない事態になっていました。

集落を走る道路は川と化した=小松市中ノ峠町、5日午前


住民の女性は「こんなことになるとは。ここに60年以上いるけど初めて。復旧がいつになるか分からない」と話していました。

5日午前は石川県の職員も現場を訪れ、被害の状況を確認していましたが、住民の避難が長期化するおそれも出ています。

「避難しようとしたら家の前が川みたい」ゴムボートで救助


氾濫した梯川の近くにある小松市中海町も一帯が浸水しました。4日夜、災害派遣された自衛隊や消防などが、取り残された住民の救出作業や安否確認に当たりました。

ゴムボートで救助された高齢夫婦=小松市中海町、4日午後7時ごろ


ゴムボートで救助された80代男性は「避難しようと思ったけど、すでにそんな時には家の前がもう川みたいにだーっと流れてきていて、家から出られなかった」と話しました。男性は妻とともに2階に避難し、救助を待ったといいます。

5日午前には、避難していた住民らが戻り、家から泥をかきだしたり泥だらけの家具を運んだりと、片づけ作業に追われていました。川のすぐそばにある住宅では、玄関にとどまらず、家の中まで土砂が流れ込み、家具がなぎ倒され泥だらけになっていました。

床上まで浸水した住宅=小松市中海町、5日午前8時ごろ


片付け作業に追われた女性は「怖いのと、諦めなきゃと思う。どうしようもない。ここに引っ越してきて3年ちょっとくらいで、古い家だったが改装してもらった。でももうダメ。畳はみんな捨てなきゃいけない」とあきらめ気味に話していました。

午後には小松市の宮橋勝栄市長が中海町を視察し、住民に困っていることや要望などを聞いていました。宮橋市長は「まず土砂をしっかりと掃き出すこと。その後に家の中の家財等のごみがあると思うので、そのごみの片づけの手伝い。長期化するおそれがあるので、住まいをどうすればいいのか検討したい」と述べました。

重機を使って泥を撤去する住民=小松市中海町、5日午前8時ごろ


宮橋市長はこのほか、石川県選出の佐々木衆議院議員や岡田参議院議員らとオンラインで会議し、被災状況を伝え、国の支援を要請しました。

小松市は6日、小松市白江町の第一地区コミュニティセンター内に災害ボランティアセンター現地本部を開設し、県内に住むボランティアの受け入れを開始します。

5日夕方までの被害状況まとめ


石川県が被害状況をまとめたところ、今回の大雨で、小松市で住民2人が水に浸かり、低体温症になりました。命に別状はないということです。

石川県内で床上まで浸水した住宅は32軒、床下浸水した住宅は少なくとも217軒に上り、大半は小松市に広がっています。また白山市や金沢市でも一部の住宅が床上まで浸水するなどの被害を受けました。

小松市、白山市、それに津幡町の合わせて137世帯で断水が続いていて、自治体が給水車やポリタンクで対応に当たっています。

能美市は5日、物見山運動公園の駐車場など、市内3か所に災害で出たごみを受け入れる仮置き場を設置しました。白山市は6日に、小松市は7日に受け入れを始めることにしています。

冠水などで多くの道路も一時通行止めになり、石川県が管理する道路は18路線の26か所で被害を受けました。

また石川県は5日、金沢市、小松市、白山市、加賀市、能美市、野々市市、川北町の7つの自治体に災害救助法を適用しました。救助などに必要な費用は、国や県が負担することになります。