福井県の海水浴場では海水浴をしていた客が野生のイルカに噛まれ、ケガをする事故が相次いでいます。福井市や警察は、海でイルカを見かけても近づかないよう呼びかけています。
浅瀬に突如、姿を現したイルカ。市によりますと、ことし4月頃から市内の鷹巣海水浴場と越廼海水浴場の2か所で野生のイルカが頻繁に目撃されていて、「遊泳中にイルカに噛まれた」という報告が、これまでに10件程度寄せられているということです。
目撃した人は…
「『助けて』と聞こえたので溺れたのかなと思い行ってみたらイルカがいた。右腕がバーンと腫れあがっていて血も結構出ていた」
「イルカは襲おうと思って来たんじゃない。遊ぶために来ていると思う」
海水浴に来た親子連れは…
「イルカ出てきたら今日は近づかない。噛まれると嫌やしね」
愛嬌たっぷり、可愛らしい見た目から水族館でも人気を集めるイルカですが、実は危険な一面を持っているということは、あまり知られていません。坂井市の越前松島水族館によりますと、野生のイルカは普段、沿岸で群れを作って生息していて、ここまで人間に近寄ってくるイルカは珍しいということです。
越前松島水族館・松原亮一副館長
「目撃されたイルカは人への執着がものすごく、人間の習性を把握している。可愛くて触りたい気持ちも分かるが見かけたら触らない・近づかない・エサをあげないなどを心がけて欲しい」
福井市ではイルカが苦手とする超音波の発信器を水中に設置したほか、イルカを見かけても触らないよう、注意を呼びかけています。