能登半島地震で、一時「再起不能な状態」と社長が語っていた奥能登の酒蔵が奮起しています。建物が倒壊した石川県珠洲市の櫻田酒造では、白山市の酒蔵を借りての酒造りが始まりました。

櫻田酒造(1月・石川県珠洲市)

酒蔵へ向かう車中、櫻田酒造の社長が語ったのは「助けてくれる皆さんがいるので頑張れるということもありますし。実際に本当によく助けて頂いていますので」という言葉。老舗の酒蔵櫻田酒造の4代目、櫻田博克さんです。

普段なら1月上旬に始まる酒造りが、珠洲市からおよそ150キロ離れた白山市で、12日、ようやく始まりました。

車多酒造に到着した櫻田さん(右)

櫻田さん「すいません、おねがいします」
車多さん(同行した櫻田さんの家族に)「ちょっとお父さんお預かりしますので…」
櫻田さん「じゃぁお父さん、行ってくるから!」

100年以上の歴史を持つ櫻田酒造の酒蔵は店舗や仕込み蔵が倒壊。去年5月の地震から立ち直ろうとした矢先の出来事でした。

震災前の櫻田酒造(石川県珠洲市)

能登半島地震が起きた1月、櫻田さんは「こんな感じで…家族全員は無事なんですけど、酒蔵は全壊で、もう再起は不能状態ですね。今のところ」と話していました。しかし、地震から半月後、がれきからわずかに見つかった無傷の酒米が櫻田さんの背中を押します。