兵庫県の赤穂市民病院に勤務していた医師の男が、業務上過失傷害の罪に問われていた裁判で、神戸地裁姫路支部は禁錮1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

判決によりますと、赤穂市民病院に勤務していた医師の松井宏樹被告(47)は、2020年1月、80代の女性の腰の骨を手術した際に誤って神経の一部を切断し、下半身不随の後遺症を負わせました。

判決を受けて、女性の家族がコメントを発表しました。

「判決言い渡し直後ということもあり、まだ気持ちの整理はついておりませんが、執行猶予つきとはいえ、刑事罰が下されたことで大きな節目を迎えたと感じております」

「しかし医療過誤によって奪われた母の身体の自由や失われた時間が戻ることは二度とありません。公判では心から反省する松井医師の姿を拝見できることをわずかに期待しておりましたが、その期待は大きく裏切られ、被告人質問での他責的な発言や自己弁護の繰り返し、平然と嘘を並べ立てる供述態度には絶望いたしました。最終陳述での無理やり付け足したような謝罪の言葉が心に響くこともありませんでした」

「日本では医療行為における過失が刑事裁判にまで発展することはほとんどありません。私自身、最善が尽くされたにもかかわらず起きてしまった医療事故がやみくもに刑事事件化されることには反対ですが、患者の生命を軽視するような方は医療に携わるべきではないと考えております。医道審議会におかれましては、二度と母のような悲惨な被害者を生むことのないよう、松井医師に厳しい行政処分を下していただけますよう強く要望いたします」

家族のコメントは、『医療事故を立件、起訴するハードルが非常に高いと言われる中、長期間にわたり慎重に捜査した兵庫県警と、検察官に対する感謝の言葉』も綴られています。

いっぽう、判決を受けて赤穂市長がコメントしました。

「赤穂市民病院で発生した医療事故に関し、元職員であった医師に対して有罪判決が言い渡されたことは、市長として厳粛に受け止めております。何よりもまず、重い後遺障害を負われた患者様とそのご家族の皆様に対し、心よりお詫びとお見舞を申し上げます。今後も赤穂市民病院の医療安全体制の強化並びに再発防止に取り組み、信頼回復に努めてまいります。」