ラーメン店を300軒以上食べ歩きブログなどで鹿児島ラーメンの情報を発信するラーメンブロガー「ろいまんさん」も原口教授と同じく漬物は「おもてなし」だと考えています。

(ろいまんさん)「(鹿児島は)もともとお茶請けでお菓子の代わりにお漬物を出す習慣があったというのがひとつと、ちょっとしたおもてなしという感じで出しているのではと思っています。県外ではあんまり見たことがない」


ろいまんさんによりますと、漬物を出す習慣は1947年創業の鹿児島ラーメンの老舗「のぼる屋」から始まったといいます。



そして、ほかの店にも広がり、今や鹿児島のラーメン文化に欠かせない存在となったのです。

ろいまんさんが漬物へのこだわりを感じると話す鹿児島市のラーメン店元斗好軒では、鶏ガラと豚骨を使ったあっさりしたスープが特徴のラーメンに合うよう、店主が試行錯誤を重ねてたどり着いたレシピに従い、毎日、手作りをしています。


(ろいまんさん)「最初に食べた時からここの漬物はおいしいなと思っていました。」
(記者)「いいぐらいにつかってますね。唐辛子のこのピリッと感もたまらないですね」
(ろいまんさん)「漬物がおいしい店はやっぱりラーメンもおいしい気がするので」


(らーめん食堂元斗好軒 前田真宏さん)「夏場はきゅうりを多くして冬場は大根の割合を多くして、冬場は大根のほうがおいしいので、自然と漬物自体もおいしくなりますよね」

ろいまんさんが漬物へのこだわりを感じるという店はほかにも。

昔ながらの豚骨醤油スープが特徴の鹿児島市のアイアイラーメン東開店です。
こちらでは大根の漬物が出されています。


(愛情一杯グループ 久留知晃代表)「大根がなくなる時期があるので、そのときはどんどん北にいって、最終的に北海道から直送で送ってもらうというところまでしています。旬の大根を仕入れて漬物にしている。おかげさまでお客さんからも好評」


漬物は、市内にある製麺工場の一角で週におよそ250キロの大根を使って作られています。カットした大根を北海道産の真昆布と混ぜて、薄口しょうゆや塩などを使った調味料に3日間、漬け込めば完成です。



(ろいまんさん)「単体でもいけそうな味ですよね」
(記者)「大根は薄めに切ってあって、昆布もいいうまみが出ている」

今や鹿児島のラーメンに欠かせない存在となった漬物ですが、一方で、店側には葛藤もあるといいます。


(らーめん食堂元斗好軒 前田真宏さん)「ラーメンの原価も上がってきていてそれでも値段を上げられない中で漬物を出さないといけないっていう、やっぱり喜んでいただきたいので、そこは崩せない」


(愛情一杯グループ 久留知晃代表)Q大根高いなと思う時もあります? 
「ありますあります。心で泣いています。でも食べてくださいって言って持っていっています。昔からの良き鹿児島のラーメン屋さんの文化というのは引き継いで、漬物はやり続けたいなと思っています。」

ラーメン店の漬物には鹿児島ならではのおもてなしの心、そして店主たちの情熱がたっぷりと詰まっていました。

この店側の思いを知り、質問をくれた視聴者も喜んでいました。

質問を寄せた視聴者「鹿児島はすごく人が温かいですよね。人柄がいいというか、鹿児島のよさですよね。おもてなしというか、待っている間のサービスがすごいなと思いました。店によっても味が違うので、いろんなラーメン屋さんに行きたい」