家族の転勤で鹿児島に引っ越してきた視聴者からの疑問です。「鹿児島のラーメン店に行くとほとんどのお店で最初に大根の漬物がタダで出てきます。どうしてですか?」
ラーメン店で無料で漬物が出されるのは鹿児島では当たり前ですが、全国的に見ると実は珍しいそうです。いったいどうして出されているのか?
鹿児島市内のラーメン店。
店を訪れた客に無料で出されていたのは大根とキュウリの浅漬けです。
客「漬物がついていないとラーメン屋さんじゃない」
ラーメン店で出されるこうした漬物について鹿児島県民は…
「まず店に入ったらすぐ漬物を食べてお茶を飲んでラーメンを食べる」
「大好きなのでよく食べます」
しかし、由来を聞くと…「自然な昔からのならわしなのかな」
一方、県外の人は…
(東京からきた人は)「今まさに食べてきた」
(記者)「何を?」
「ラーメンを。漬物が出てきたよ」
(記者)「出てきたときどう思った?」
「漬物出てくるんだって」
どうして漬物を出しているのか、ラーメン店にも聞いてみましたが…

(らーめん食堂元斗好軒 前田真宏さん)「鹿児島のラーメン屋さんはみんな漬物を出されますもんね。漬物を出さないという考えはなかった。漬物はラーメンとセットだろうという」
由来ははっきりしません。
そこで、鹿児島の歴史や文化に詳しい志學館大学の原口泉教授に聞きました。

(志學館大学 原口泉教授)「ラーメンを食べに来たお客さんにも“茶いっぺ(お茶一杯)”そして漬物が薩摩のおもてなしですよね。それがなくて水だけでしばらく待たせてラーメンというわけには、薩摩のおもてなしは成り立たないですよね」
原口教授は漬物は昔ながらの「薩摩のおもてなし」だといいます。
(原口教授)「鹿児島で多い野菜はでこん(大根)です。(昔は)自分の家で大根を作りますし、野菜も自分の家で漬物にしますし、いつでもうちの中にありますから、お客さんが来たらまず漬物を出すのが礼儀」