
松方の日記にあった温泉は、日置市にある湯之元温泉です。江戸時代には、薩摩藩直轄の温泉として武士から農民までが利用し、明治から昭和にかけても歓楽街として栄えました。
Q.土用丑の日に温泉に入ると健康になると聞いたことは?
(地元の温泉客)「初めてきいた」「全然知らなかった」「聞いたことがない」
誰も知りませんでした。
全国の土用丑の日の文化を研究している、元金沢星稜大学女子短期大学部教授で、観光学が専門の上田卓爾さんです。土用丑の日の温泉の言い伝えは「丑湯」と呼ばれ、全国各地に残っているといいます。

(上田卓爾さん)「温泉の近くに温泉寺や温泉神社があって、薬師如来がまつられている。薬師如来の化身が、牛頭天王。牛の恰好をした鬼。薬師如来と牛が結びついて、温泉と牛、丑湯となっている。日本全国で(言い伝えが)あったんだと思う」

現在も熊本県日奈久温泉では、土用丑の日に「丑の湯祭り」を開き、町を挙げたイベントが続いています。
湯之元温泉での「丑湯」文化がいつ途絶えてしまったのか、記録は残っていません。

(湯之元温泉元湯・打込湯 原田菊生代表)「もう今は通りに人影がないし、さびれているので、いつの間にか(丑湯が)立ち消えになったのかもしれない」
Q.丑湯文化の復活はある?
(湯之元温泉元湯・打込湯 原田菊生代表)「いいきっかけになると思う。お風呂に入って、うなぎを食べて、両方で夏バテを防止できれば、こんなにいいことはない」
湯之元温泉の常連客に、丑湯のことを伝えてみました。
Q.土用丑の日に温泉に入りたくなる?
(地元の温泉客)「いや、毎日入っているから、関係ない」
(地元の温泉客)「いまずっと入っていて、健康にすごくいいなと思うので、関係なく毎日入りたい」

あさって19日は土用丑の日。普段温泉に入らないあなたも、定番のうなぎとともに、かつて偉人も浸かった丑湯を楽しんでは、いかがでしょうか。