(永里千尋さん)「ここは完全な海の中だった。このような島が実際に7つあった」

鹿児島市七ツ島。かつて、ここには名前の通り7つの島が浮かんでいました。そのうち6つの島が埋め立てによって消失しました。

(永里千尋さん)「海水浴とか貝堀りとか、一口ダコを釣って、そして、この七ツ島の島の上に登って遊ぶ。自宅から遠い場所だったんだけど、それでも遊びに来ていた」
当時、鹿児島県は所得水準が全国平均に比べ低いとされ、その背景に「工業地帯が少ないこと」が挙げられていました。
そこで注目されたのが、未開発だった七ツ島を含む谷山の沿岸部で、昭和47年から海岸の埋め立てが始まりました。
(永里千尋さん)「(当時の先輩に)君たちが大人になって、社会人になったとき、この谷山の港が変わる。それを楽しみにしとけと言われた」

埋め立てによって、海沿いに工業地帯や新たな幹線道路=産業道路が生まれ、大型の商業施設も進出。昭和47年には谷山港が完成し、海外の客船も寄港するようになりました。