一方で、今後の課題が収穫量です。今回の商品化で使われた徳之島産のコーヒー豆は全体の3割。残りは、味の素AGFが用意したブレンド豆を使いました。
徳之島産100パーセントのコーヒーを全国販売するには、人手と収穫量、両方が足りていないのが現状です。
大阪からUターンした時任かおりさんです。去年亡くなった父親が残した畑でコーヒー栽培を始めました。
(時任かおりさん)「ここがもう完全に水没でした。もう抜けてるところは全部枯れてしまったところです」

今年6月の大雨で畑は水につかり、去年植えたばかりだった苗木350本のうち80本は枯れてしまいました。
(時任かおりさん)「ショック。めちゃくちゃショックで、正直心がちょっと折れた」
長年、コーヒー栽培を続けてきた先輩の言葉に勇気づけられたと振り返ります。

(時任かおりさん)「先輩の生産者の方から『それも含めて徳之島でのコーヒー栽培』と、一言ポンと言ってもらって、整理がついた」
自然を受け入れ、島ならではの栽培方法を確立し、収穫量を引き上げるため、生産者の試行錯誤は続きます。
42年前、100本の苗木から始まった徳之島のコーヒー栽培。1万本を超えた今、新たな産業に育てるため、島の関係者たちの努力は続きます。
