全国各地に古くから伝わる動物をモチーフにしたおもちゃの企画展が高知県南国市で開かれています。表情や色づかいが可愛らしいのはもちろん、その土地の生活や文化が感じ取れます。

南国市の歴史民俗資料館で開かれている企画展「おもちゃの動物園」。全国各地に古くから伝わる動物の郷土玩具が展示されています。

(木岡真理奈アナウンサー)
「いろんな昔の飾り、置き物ってありますけど、おもちゃの特徴ってなんですか」

(県立歴史民俗資料館 中村淳子 学芸員)
「それぞれ願いが込められていたり、土地土地の暮らしの特色が出ていたり、そういったところがあると思います」

遊び道具としてだけでなく魔除けなどの願いを込めた置き物として、さまざまな種類の動物が身近にある紙や木、土を材料に手づくりされています。

(県立歴史民俗資料館 中村淳子 学芸員)
「こちらが赤べこと言って福島県の郷土玩具ですね。体が赤いので赤べこ、べこは牛のことなんですけど、郷土玩具のなかには赤物というジャンルがありまして、病除けになるということで赤い物を使っていた。見ていただいたらけっこう赤い人形がある」

犬は「安全」、猫は「人やお金を招く」など動物ごとに願いは異なります。

さらに地域でも動物の違いが。

(木岡真理奈アナウンサー)
「私地元が奈良なんですけど、奈良と言えば鹿、鹿のおもちゃもたくさんあるんですね」

(県立歴史民俗資料館 中村淳子 学芸員)
「奈良と言えば鹿、北海道だったら熊ということで、土地土地の特色が出ます」

(木岡真理奈アナウンサー)
「そして高知にも鹿が」

(県立歴史民俗資料館 中村淳子 学芸員)
「もう安芸土鈴は廃絶してしまったんですけど、かつて安芸で作られていて、なぜ高知で鹿なのかというと、昭和くらいまで五台山に鹿がいた、それで作っている」

企画展ではおよそ300の郷土玩具が展示されているほか、県内の作家の作品展示や、スタンプを押して作るオリジナルカレンダー、動物と写真を撮れるスポットなども用意されていて大人も子どもも楽しめます。

(県立歴史民俗資料館 中村淳子 学芸員)
「人の暮らしのなかから生まれてきた玩具ということで、いろんな願いや生業が反映されていて魅力的な郷土玩具ですのでそこを楽しんでいただきたい」

企画展「おもちゃの動物園」は南国市の歴史民俗資料館で9月3日まで開かれています。