戦後80年の2025年、平和の大切さを伝えようと高知県出身の兵士と兵士が愛したヒョウ“ハチ”の銅像の制作が進められています。銅像は2025年8月に完成する予定で、高知市のオーテピアに飾られます。
仁淀川町のアトリエで制作が進められているのは、高知県出身の兵士、故・成岡正久さんと成岡さんが愛したヒョウの「ハチ」の銅像です。

手がけるのは桂浜の坂本龍馬記念館前にある「シェイクハンド龍馬像」を制作した彫刻家の大野良一さん。2024年10月から作業をはじめ、今は銅像の原型ができた段階です。

昭和16年(1941年)、中国に出兵していた成岡さんは生まれたばかりのヒョウを拾い、「ハチ」と名付け部隊の仲間と大切に育てていました。しかしハチは部隊の移動に伴い東京の上野動物園に引き取られますが、戦況の悪化で“犠牲”となりました。

その後、成岡さんは剥製にされたハチを引き取り、高知市の図書館に寄贈。ハチの剥製は一度、修復され現在は高知市のオーテピアに飾られています。

このハチの姿を銅像にすることで戦争によって起きた悲しい出来事を後世に伝え戦後80年の今年、“二度と戦争が起きないように”との思いが込められています。

(彫刻家 大野良一さん)
「これはやっぱり平和のシンボルというか、象徴としての像にせんといかんなということで、“平和って大事だな”ともう一回ゆっくり考える機会にこの像を通じてなったらなとは思いますね」

銅像の制作は500万円を超える費用がかかるため、剥製の修復に携わった人らが中心となって「ハチの像を建てる会」を立ち上げ、募金することにしました。
そして28日、会のメンバーが高知市役所を訪れ桑名市長に活動内容と募金の開始を報告しました。目標金額は“500万円”で、銀行振り込みのほか今後、開設されるクラウドファンディングのサイトを通して募金を呼びかけます。

(ハチの像を建てる会 田村千賀 会長)
「みなさんにこのお話を届けて心に平和を、そして現実も平和になるように、みなさんにご協力いただきたいなと思っております。またクラウドファンディングの方では返礼品も用意しておりますので、そちらの方もぜひご覧いただけたらと思います」

(ハチの像を建てる会 吉岡郷継 副会長)
「“戦争になるかもしれない”、そういうことを子どもたちが少しずつ肌でそういうこと(戦争)があったんだということをハチの像を見て感じる。そういうものができればと思います」

銅像は2025年8月に完成する予定で、高知市のオーテピアの敷地内に飾られます。