四国電力送配電は、9日の深夜にホームページでリリースを出し、今回の停電の原因を「周波数低下リレー」が動作したことだと発表しました。

四国と本州との間には、瀬戸大橋に敷かれた送電線(本四連系線)と、紀伊水道の海底に敷かれた送電線(阿南紀北直流幹線)があり、他の電力会社と電力を供給し合っています。
四国電力送配電によりますと、このうち瀬戸大橋に敷かれた送電線が、9日の午後2時半ごろから事故と作業停止中のため使えなくなり、この時間以降は「紀伊水道の送電線のみで他エリアと電力を供給し合っている状態」でした。このため、作業停止中だった瀬戸大橋の送電線の復旧操作を行っていたところ、何らかの原因で、「紀伊水道の送電線の、本州(関西)向きの電気の流れが急増した」ということです。これによって「四国内の電力供給が不足した状態」となり、電力の需要を強制的に切り離す「周波数低下リレー」というシステムが作動し、四国内の広い範囲で停電が発生したということです。
【周波数低下リレー】
国内の電気は、需要(使用する側)と供給(発電する側)のバランスが取れた「周波数が一定の状態」で送電されていますが、地震などにより発電所がストップすると、このバランスが崩れ、最悪の場合は連鎖的な大規模停電を引き起こします。このような事態を防ぐため、電力の需要を強制的に切り離すシステムが「周波数低下リレー」です。
四国電力送配電は、紀伊水道の送電線で「本州(関西)向きの電気の流れが急増した詳細な原因」については「調査中」としていて、「今回の停電により、お客さまをはじめ、多くの皆さまにご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」とコメントしています。