ファンに惜しまれつつ去年9月に64年の歴史に幕を閉じた愛媛・松山の老舗バー「サントリーバー露口」。
その店舗の一部が、大阪にあるサントリーの工場に移設されることになりました。

愛媛県松山市二番町で64年にわたり営業し、去年9月に閉店した「サントリーバー露口」。
5月から店舗の解体が決まっています。

そうした中、サントリーが洋酒文化の歴史を次の世代に残そうと、長年使われてきたカウンターや照明など、店舗設備の一部を大阪府の工場へ移設することを決め、解体を前に27日、店内が公開されました。

公開の日には店主の妻・露口朝子(あさこ)さんも訪れ、店との別れを惜しみました。

(露口朝子さん)
「(閉店を)残念に思っていたが、ありがたい。ずっと残してもらえるから。また行ったら会えるから」

1958年にオープンした「サントリーバー露口」。

店主の露口貴雄(たかお)さんと妻・朝子さんが二人三脚で切り盛りしてきましたが、2人が腰を痛めたのを機に、去年9月に閉店を決断しました。

地域の活性化にもつながったとして、閉店後、2人には愛媛県から感謝状が贈られています。

看板メニューは独自のレシピで作られる「ハイボール」。

一般的なハイボールは、炭酸水とウイスキーの割合が4対1ですが、こちらでは2.5対1と少し濃いめ。
実は、サントリーの商品「ハイボール濃いめ」は、このレシピを参考にし開発されたそうです。

サントリー松山支店 高梨明治支店長
「日本全国に洋酒文化を広めることにおいて、一緒にやらせてもらったと思うし、それをしてもらったことには「感謝」の一言だと思う」

店舗の一部は、今年秋に大阪府のサントリー山崎蒸留所に移される予定です。