愛媛県松前町で同僚の技能実習生を殺害しようとした、ベトナム人の男の初公判が24日、松山地裁で開かれました。
起訴状などによりますと、ベトナム国籍のタ・スアン・チュオン被告(24)は去年6月24日、町内にある社員寮で、同僚のベトナム人技能実習生の男性(当時35)の背中を包丁で刺し殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われています。
松山地裁で開かれた初公判で、チュオン被告は「被害者を意図的にけがをさせるつもりはなかった」と起訴内容を否認しました。
続く冒頭陳述で検察側は、事件当日、チュオン被告が上開き式の冷凍庫のふたに食べ物を置かないよう被害者に注意したことで言い争いになったと、犯行のきっかけを明らかにしました。
そして、被害者が被告の食器が入ったかごなどを窓から外に投げたことなどに腹を立て、背後から「死ね。殺してやる」などと言いながら包丁で突き刺したということです。
その後もチュオン被告は、包丁を振り回して被害者の左手を切り付けたり、逃げようとする被害者を「死ね」などと言いながら、追いかけたりしたということです。
一方の弁護側は、チュオン被告が、被害者をわざと突き刺したわけではないと主張、双方の間に示談も成立していると述べていました。