再開発が進む、愛媛県松山市の伊予鉄道松山市駅前で、市内電車(路面電車)の線路が78年ぶりに移設され、24日・日曜日の始発から新しい電停での運行が始まりました。

23日・土曜日の夜8時ごろ、松山市駅には最終の市内電車の出発に合わせ、多くの鉄道ファンが集まっていました。

こちらの電停に電車が入ってくるのはこれで最後…

見納めとなる光景を熱心に撮影しながら、それぞれの思い出に浸っていました。

(鉄道ファン)
「僕にとっては最高に思い出が残っている駅舎」
「寂しいところもあるが新しい駅舎になることで、便利にもなるし、いいことではある」

午後8時40分
通常よりおよそ2時間繰り上げ最終電車は出発しました。

伊予鉄グループによりますと、松山市駅の電停は、終戦翌年の1946年に策定された、市の「幹線街路計画」を踏まえ、翌1947年3月、新たに設置されたということです。

以来78年、松山の陸の玄関として市民らの移動を支えてきた中、市駅前の再開発に伴い、初めて線路が移設されることになりました。

移設工事は総勢およそ100人で、役目を終えたレールを撤去し新しいものを設置したり、架線を付け替えたりして、およそ7時間で完了しました。

24日・日曜日の朝6時半ごろ、リニューアルした松山市駅に、一番電車が入ってきました。

23日までと比べると、電停が15メートルほど南に移動しています。

新しくなった電停にも多くの鉄道ファンや乗客の姿が…

中には…
(鉄道ファン)
「23日の夕方4時くらいから来ていた」

新しい電停は郊外電車の改札とも近づいたことで、乗り換えがスムーズになりました。

また、屋根には愛媛産の杉が採用され、案内板もシンプルでわかりやすいデザインに。

(松山市 野志克仁市長)
「平日は広場で憩いのスペース、週末はマルシェなどの賑わいのスペースになる」

(伊予鉄道河野智臣専務)
「交通の拠点を中心にますます賑わいができて、地域に広がりを見せるということを期待している」

松山市駅前の再開発は来年秋頃の完成を目指しています。