夏の登山シーズンを前に、登山者の滑落などを想定した愛媛県警の山岳救助訓練が、石鎚山で行われています。
救助技術の習得や隊員同士の連携の強化へ県警が毎年、実施している訓練には、今回、四国中央・西条・久万高原の3署と機動隊で構成する、山岳警備救助隊員あわせて26人が参加しています。
初日の25日はあいにくの雨が降る中、午前10時半に石鎚山の土小屋を出発。時おり雨足も強まりますが、一歩一歩、山頂をめざします。
この日は、山頂手前の鎖場「三の鎖」で、滑落して動けなくなった遭難者の救出へ急な斜面を登り下りする訓練に臨みました。
参加者は指導役の隊員から道具の使い方や姿勢など、ポイントを教わりながら挑戦していました。
続いて、がけ下に降りた隊員を引き上げる訓練も行われ、全員で声をかけあい連携を取っていました。
訓練は27日まで行われています。
これから夏山シーズンを迎えますが、気をつけなければいけないのが遭難事故です。
去年1年間に県内で報告された山岳遭難者は21人に上っています。
このうち東温市の皿ヶ嶺では70代の男性が死亡。登山道からの滑落とみられています。
また、遭難者のうち65歳以上の高齢者が12人と全体の半数以上を占めています。
遭難理由は、「疲労」が7人と全体の3分の1を占めていて、ついで、「道迷い」や「転倒」「病気」などとなっています。
県警は、登山届の提出や、単独での登山を避けること、そして、自分の体力や経験に合った山を選び、ゆとりをもった計画を立ててほしいと呼びかけています。