愛媛県松山市の下水処理場から出る汚泥を燃料に変える新しい施設が稼働しました。燃料は火力発電所で利用されていて、二酸化炭素の削減にも一役買っています。
(松山市の担当者)
「松山市内のすべての下水汚泥を受け入れて固定燃料化する施設が9月末に完成し10月1日から稼働しております」

愛媛県松山市内で一日に発生する下水汚泥はおよそ60トン。処理に多くの手間と費用がかかるのが課題だったといいます。

これまでは一部を肥料やセメントの原料として再利用していたものの、およそ7割は焼却処分していました。

松山市西部浄化センターに新たに完成した施設では、脱水した汚泥をかき混ぜながら400度ほどの熱風を当てて乾燥させます。これにより、直径1ミリから5ミリの固形燃料が出来上がります。

(松山市の担当者)
「この施設を稼働させることで松山市内の下水汚泥をすべて固形燃料化でき汚泥リサイクル率は100%となります」

製造した固形燃料は四国電力の西条発電所に運ばれ、燃料の石炭に混ぜて利用されています。固形燃料は同じ重さの石炭のおよそ3分の2程度の熱量があるそうです。

(松山市の担当者)
「また固形燃料を県内の火力発電所で使うことで石炭の使用量を減らすことがで
き、年間約2100トン一般世帯約800世帯分の二酸化炭素の削減につながります」

松山市によりますとこの施設の設計・建設費はおよそ44億4000万円で、さらに2045年3月末までの施設の運営・維持管理費として民間の委託先におよそ81億4000万円を支払うということです。

なお、この施設や西条発電所には環境対策設備があるため、固形燃料の製造や燃焼による悪臭や有害物質の発生はないとのことです。