国の文化審議会は、愛媛県今治市大西町にある明専寺の鐘楼門など2件を登録有形文化財に登録するよう、文部科学大臣に答申しました。
愛媛県教育委員会によりますと、明専寺は今からおよそ370年前の1657年に創設された浄土真宗の寺院で、境内入口にある鐘楼門は、1840年に建てられた入母屋造瓦葺きの上下二層からなる二重門で、上層に梵鐘を吊っています。
二重門は全国的にも珍しいほか、建材に高級なツガが用いられ、華やかな彫刻が随所に施されるなど造りも上質です。
一方、市道沿いの石垣は周辺の村から贈られたもので、石段の北側は1838年に、南側は1857年に建てられました。
鐘楼門、石垣とも江戸末期当時の技術が駆使されている上、建設年代や大工・石工を記した普請文書が残されている点も、歴史的価値を高めているということです。
これら2件が登録されれば、愛媛県内にある国の登録有形文化財の建造物は、194件となります。