伊方原発3号機について、広島県の住民などが運転差し止めを求めた裁判で、広島地裁は原告側の訴えを退けました。
この裁判は、伊方原発3号機について、広島県に住む被爆者など337人が「地震や噴火に対する原発の安全性が確保されていない」などとして、運転の差し止めを求めて提訴。
被告の四国電力が全面的に争う姿勢を見せ、およそ9年にわたって審理が続いていたものです。
裁判で原告側は「活断層などの調査が不足していて、地震や噴火へのリスク評価が不十分」などと主張。
一方、四国電力側は「調査の結果、原発の近くに活断層はなく、運用中に巨大噴火が発生する可能性も十分小さい」と反論していました。
5日の判決で、広島地裁の大浜寿美裁判長は、「四国電力がそれぞれの事象に対して過小評価しているとはいえない」として、原告側の訴えを退けました。
原告側は控訴する方針で、判決の内容を批判しました。
(原告団・森本道人さん)
「本当良心に欠ける、恥ずべく、恥を問いたい」
(四国電力原子力部・佐々木広行副部長)
「私どもの主張を、裁判所にご理解いただけた判決かと受け止めております。引き続き、伊方発電所の安全・安定運転を継続してまいりたい」
一方、愛媛県伊方町の高門清彦町長は…
(伊方町・高門清彦町長)
「司法判断に関わることでありコメントは差し控える。四国電力には引き続き、安全運転への不断の努力と適切な情報提供により、町民の信頼向上により一層努めてもらいたい」
伊方原発をめぐっては、各地で運転差し止めを求める裁判が行われていて、このうち大分地裁も去年3月、原告側の訴えを退ける判決を出していて、今月18日には松山地裁でも判決が言い渡されます。