愛媛県四国中央市に本社を置く丸住製紙は、主力事業で売り上げの7割を占める新聞用紙などの製造から撤退することを明らかにしました。事業規模は大幅に縮小されるとみられます。

会社のホームページなどによりますと、四国中央市に本社を置く丸住製紙は1919年創業で、およそ500人の従業員が働き、紙の製造やバイオマス発電などを手掛けています。

中でも、新聞用紙は年間17万トン生産する国内4位の生産量で、出版やコピー用などを含めると売り上げの7割をこうした紙の製造が占めています。

しかし丸住製紙は、ペーパータオルなど家庭向けの一部を除き、紙の製造からの撤退を決めたということです。

時期については明らかにしていません。

情報は20日午前、四国中央市の篠原実市長の元にも…

篠原実市長
「この会が始まる前に、丸住製紙の社長から洋紙の部分は生産を停止するという話があった。四国中央市として、働いている皆さん方ができる限りつらい目をしないような努力だけは精一杯していきたい」

東京商工リサーチによりますと、丸住製紙はピーク時の2008年には743億円を売り上げていました。

しかし、デジタル化による新聞用紙の需要減少などを背景に、去年には420億円まで売り上げが落ち込み、ここ数年は100億円を超える赤字を出した年もあるということです。

四国中央市にある大富士製紙の社長で、愛媛県中小企業団体中央会の服部正会長は…。

服部会長(大富士製紙社長)
「新聞の必要性というものは、紙ベースではますます落ちてくるのは確実だと思う。そういった中での撤退ということで、妥当な状況ではないかと思っています」

丸住製紙は、一部の紙製品の製造と発電事業などは続ける方針ですが、これまで希望退職を募るなど段階的にリストラを進めてきた中、中核事業からの撤退で更なる人員削減が懸念されます。