またイベントは、藤社さんの自主性も育みました。

(同級生は・・)
「藤社君は僕が入学したときに一番最初にしゃべりかけてくれたんで、めっちゃ優しいいい子です」

「優しくて元気な人です」

藤社さんは学校で、部員がいないため途絶えていた柔道部を仲間とともに復活させ、部長を務めています。

8月30日には釜石市で行われた大会に出場し、父親の正寿さんも見守る中、試合に臨みました。

(試合)
「はじめ!」

1試合目は見事一本勝ち。

2試合目は残念ながら抑え込みで敗れました。

(藤社寿希さん)
「技ありまではとれたんですけど、投げた後の抑え込みが全然ダメだったんで、そこを新人戦に向けて直していきたいと思います」

試合には敗れたものの、正寿さんは積極的にボランティアに参加したり、柔道部を立ち上げたりと、自主的に活動する息子の姿に心強さを感じています。

(藤社正寿さん)
「まず震災後に海で遊ぶという機会が無かったのを、ワンデイキャンプできっかけを作ってくれた。それをきっかけで寿希もいろんな成長をしていると思います」

藤社さんに今後の目標を聞きました。

(藤社寿希さん)
「自分は今のところ自衛官になろうと思っていて、人を助けることは簡単じゃないけど、その分助けたことに意味があると思って。自分はそれを作っていきたいやっていきたいと思っています」

津波による海への恐怖心を少しでも癒

そうと続く取り組みで育まれた自主性で、藤社さんは今、支えられる側から支える側へ、大きく成長しようとしています。