加えて今回の山林火災では消火の経験が豊富な中條さんでも見たことがないような延焼の仕方をしていました。

(中條圭消防司令補)
「立ち枯れした樹木が燃えてると根っこまでこの炎が入り込んでしまいまして、その根を伝ってまた別なとこから炎が出るていうようなことが起きますので。根を切ってその木を倒して消火する必要があります」

一度燃えた樹木は、火を消し止めたように見えても木の中の火種が根を伝ってまた違うところの木に燃え移るケースがあるといいます。
今回の山林火災ではそれが起きていたのです。

中條さんたちは地中の木の根まで切ることができる特殊なチェーンソー、ルートカッターを使って延焼を食い止めようと活動しました。

綾里地区の中心部を見下ろす高台に建つ長林寺です。
初日の夜に中條さんたちが対峙したのは、地域に500年根付いた寺の背後に迫った猛烈な炎でした。