「旬感いわて」です。岩手県奥州市で農家が営む、手づくりのメニューが魅力の小さなカフェ。この時期人気の自家製の「桃のパフェ」を紹介します。

奥州市江刺稲瀬のカフェ「ミズサキノート」。
リンゴ農家が営む小さなカフェは、窓から望むリンゴ畑と手づくりのスイーツが人気です。
なかでもこの時期に注文が殺到するほど人気だというのが、「桃のパフェ」だといいます。

(井丸貴拡キャスター)
「今が旬の桃、このまま食べてもおいしいんですが、この桃をふんだんに使ったメニューがこちら、生産者が作った桃のパフェです」
フレッシュな桃に、コンポートした桃などを盛り付けた、見た目にも華やかなパフェは、この時期のカフェの看板商品。

(及川由希子さん)
「皆さん桃が好きみたいで。リンゴ農家なので、焼きもち焼いちゃうくらい桃がすごいんですよ。桃のシーズンってすごい短いので、それをぎゅっと詰め込みたいなと思ったらこうなっちゃったんです」
使用する桃は、カフェを運営する「及川農園」が育てたものです。

桃の木は、カフェのすぐ裏手に植えられていて、この日はちょうど桃の収穫日。
カフェのスタッフが一つ一つ丁寧に収穫していきます。
およそ2ヘクタールの畑でリンゴを栽培する及川農園。
その中で桃の木はなんと2本だけ。

(及川健児さん)
「2本しかないので量も少ないですし、販売できる量がないので、お店のほうで楽しんでいただければという思いで作っております」
先代が40年以上前に植えたという2本の桃の木。品種は定かではありません。
採れる量は少ないと言いますが…
(井丸貴拡キャスター)
「現在盛んに収穫されている桃の実、なんと1本あたり500個も収穫できるそうです」
ミズサキノートでは、5年前からこの桃を活用してパフェの提供を始めました。

(及川健児さん)
「ここにきて雨も少し降ってきて、実もぐいぐいと大きくなってきたので、早い方の品種をきょう収穫した感じですね」
収穫した桃はすぐに保管、加工の作業に入ります。
(及川由希子さん)
「樹上完熟っていうリンゴもそうですけど、桃もそういうふうにしておいしい状態で保管するっていうのを選んでいます。1個ずつアルミホイルに包んで、大きい冷蔵庫でずっと保管していきます。リンゴも一つ一つラップに包んで冷蔵庫に入れてもらった方が長持ちするので、それの応用ですね」

熟した桃は傷みやすいのが難点ですが、完熟の状態で収穫してすぐに加工できるのは生産者ならでは。
実が小さいものはコンポートにしていきます。
ここにもおいしく食べてもらうための工夫が。
(及川由希子さん)
「そのままがおいしかったら良かったんですけど、ちょっと物足りなかったんですよね。すごい古い品種で、どう育てても糖度が上がらないことがわかっていたので、そこで手はかかるんですけどコンポートという手段を選んでいます」

桃をシロップで煮て作るコンポート。桃を煮たシロップも、ゼリーにして生かします。
そして、江刺産や岩手県産の果物をたっぷりと盛り付ければ、農家が作る自家製の「桃のパフェ」の完成です。

(井丸貴拡キャスター)
「お店の裏で採れた桃が生まれ変わりました。上の桃に目が行きがちなんですが、その他にもたくさんの果物が使われています。また、その下を見てみると何層にもなっていて、具材もたっぷり入っています」
いったいどんな味なんでしょうか?
(井丸貴拡キャスター)
「では、完熟のとれたてのモモいただきます。甘い!桃が完熟なので、やわらかくて甘さがたっぷり詰まってます。コンフォートもいただきます。さっきの桃とは違った甘みがありますね、なおかつ食感もやわらかくて口どけがなめらかです」
農家が育てた桃やリンゴを使ったスイーツを提供するミズサキノート。
大切にしているのは生産者と食べる人の顔の見える関係性です。

(及川由希子さん)
「6次産業とかそういう言い方をされがちなんですけど、それよりもここでとれたものをここで味わうっていう新鮮さだったり、私たちが作って召し上がっていただくっていう距離感だったり。桃のシーズンは桃に力を入れてと毎シーズン楽しんでいただけるようなカフェにしたいと思っています」

2024年は8月下旬まで楽しめるということです。