先週、長野で起きた“立てこもり事件”。容疑者が警察官2人を撃ったのは、猟銃でした。

 やりきれない凄惨な事件が、先週、地方の住宅街で起きました。4人が殺害された長野県の「立てこもり事件」です。



 逮捕されたのは、青木政憲(まさのり)容疑者、31歳。警察官2人は、通報で現場に駆け付けた直後、猟銃で撃たれ死亡しました。

亡くなった警察官の自宅近所の人
「切ないです。悔しいと言うしか他の言葉が出ない」

 青木容疑者は、県の公安委員会の許可を得て、散弾銃や空気銃など4丁を所持していて犯行に使われたのは、このうちの1丁とみられます。

 容疑者の許可について、問題はなかったのでしょうか?

谷公一国家公安委員長
「(所持許可に)問題があったとの報告は受けていない」
「捜査を待って必要ならば、銃の取り扱いも含めて対応することになろう」

 なぜ、事件は防げなかったのか?今の銃規制に、穴はなかったのでしょうか?

 札幌市東区にある銃砲店です。この店では「散弾銃」「ライフル」「空気銃」の3種類を扱っています。

 取材をした27日は、常連の猟友会会員の男性が銃のメンテナンスに訪れていました。これは、上下二連式の散弾銃。弾が入っていないか、弾倉に指を入れて、慎重に確認します。

猟友会会員 齋藤邦吉さん
「(安全という)アピールです。人前でやれと言われている」

 日本で、猟銃を持つには、「取り扱い講座と試験」「射撃場での実射訓練」「銃砲所持許可申請」「住所周辺の住民への聞き込み」など、世界一厳しいといわれる審査が行われ、「許可の取得」には数か月かかるといわれています。

石狩銃砲火薬店 佐々木一哉社長
「銃を持つまでに何回も警察に足を運んで何回も面談などを受けて、病院などで診断を受けて非常にハードルは高いと思う」

 さらに、所持の許可を受けた後も、猟銃は「ガンロッカー」という専用のロッカーで厳重に保管することが求められます。

猟友会会員 齋藤邦吉さん
「基本的に銃はすごく危険な道具だということを常に忘れないようにして、特に一回発射した弾、二度と自分の手には戻ってこないこと、そして一度でも命を落とすと拾えない。常にこれを心に置いて、初めて実弾を発射したときの怖さを思い出す、または忘れないようにしなければいけないと思っています」

 所持が許可された猟銃で起きたとみられる長野の事件。札幌で聞きました。

札幌市民
「すごく怖いと思ったし他人ごとだと思っちゃいけない」
「昔アメリカにいたときがあって、目の前で撃ち合いがあった。日本もすごいなと」
「(銃を)保管する側にも責任が、免許を出す側にも責任があるのでは」