《記事のポイント》
・北海道の10月は秋と冬の災害が同居する特殊な時期
・10月1日の前線通過による強い雨に注意、その後は山で初冠雪の可能性も
・夏秋の備えを残しつつ、冬タイヤや暖房器具など冬への準備を進める「防災の衣替え」を

(HBCウェザーセンター 近藤肇気象予報士)

いよいよ10月です。

北海道では紅葉が進み、秋本番を迎える時期ですが、防災の面から見ると、10月はちょっと特殊な月です。

前半には発達した低気圧などによって大雨や暴風に見舞われることがある一方、後半には平地でも初雪の便りが届き始めます。

つまり北海道の10月は、「秋の災害」と「冬の災害」が同居する季節なのです。

しかも2026年は、10月に入って早々、その季節の変化を実感することになりそうです。

10月でも大雨・暴風 2006年には記録的な荒天

冠水した道路(2006年・北海道佐呂間町)

北海道で起きた10月の大きな気象災害の一つが、2006年10月6日から8日にかけての大雨と暴風です。

本州南岸の前線上に発生した低気圧が急速に発達しながら北上。7日には三陸沖、8日には北海道の東の海上へ進みました。

北海道でも大荒れとなり、遠軽では24時間降水量220ミリを観測。根室では8日、最大瞬間風速42.2メートルを記録しました。

転覆した漁船(2006年・北海道根室市)

気象庁によると、この低気圧による荒天では近畿から北海道にかけて浸水害や土砂災害、強風被害などが発生し、海上でも大きな被害が出ました。

2006年10月7日と8日の地上天気図
2006年10月7日と8日の地上天気図(気象庁)

この事例で注目したいのは、台風そのものが北海道を直撃したわけではないことです。

秋は北から冷たい空気が入り始める一方、南にはまだ暖かく湿った空気が残っています。この大きな温度差をエネルギーにして、低気圧が急速に発達することがあります。

「台風シーズンも終わりだから、大雨や暴風への警戒もそろそろ終わり」というわけではありません。

北海道では10月になっても、発達した低気圧による大雨、暴風、高波への備えが必要です。