挫折を乗り越え14歳で決断した自転車への転向

中石選手が自転車を始めたのは6年前。
小さい頃から自転車に興味があった訳ではなかった。

中石湊選手(21)
「陸上が好きで、走るのが好きだった」

小学5年の時に始めた陸上。
中高一貫の強豪校に進学し、次第にのめり込んでいったが、中学3年の時、思わぬ事態に陥った。

中石湊選手(21)
「怪我をして、将来陸上をやっていく自信があまりなかった」

腰椎分離症。
幸い症状は軽かったものの、今一度、自分の将来を考えた時、幼少期の頃に一度見た景色が頭に浮かんだという。

中石湊選手(21)
「小学校の時に岸和田競輪場で一回見たことがあるんですけれど、その時に競輪の職業は知っていたので、チャレンジしてみようと思いました」

バンクで躍動する競輪選手たちの姿が鮮明に蘇った。

覚悟は決まった。14歳で自転車の道を選んだ。

中学3年の秋。
突然の決断に、母・早苗さんは当時をこう振り返る。

中石湊選手の母 早苗さん
「なんかちょっとやってみてもいいかなって感じで、少し前向きな感じでした。楽しそうというか、不安とかあまりなかったと思います」

知り合いのつてをたどり、競輪選手に紹介してもらった先は、それまで住んでいた大阪府から遠く離れた、函館市。

中石少年は迷うことなく自転車の強豪、函館大谷高校への入学を決めた。

中石湊選手の母 早苗さん
「『正直函館ってどこなの』という感じだったんです。最初は身の回りのことしてあげたいなということで一緒に行こうと思いました」

中石湊選手(21)
「不安はなく、楽しみしかなかったです。本気でやって選手になれなかったらそこまでだなと思ったので、とりあえず選手になることだけ考えてシンプルにわくわくしました」

自転車人生の第一歩を踏み出した場所。
15歳にして退路を断ち、地道な練習に取り組んだ。

当時15歳の中石湊選手(2020年・函館競輪場)▶中石選手の写真をもっと見る

当時、高校1年の中石選手。
自転車に乗り始めて、まだ半年という時だ。

先輩に自転車整備を教わる(2020年・函館競輪場)

まだ自転車の整備もできず、先輩たちに教わる日々。
でも、この時すでに自転車の魅力にのめり込んでいた。

中石湊選手(当時15)
「地元から出た方が部活に熱心に取り組めるかなと思ったので、離れるならだいぶ離れた方が熱心に部活ができるので結構いいです。努力した分記録に出るので面白いですね」

中石湊選手の母 早苗さん
「当時は自転車の服とかも持っていなかったので、毎日同じような練習着で、懐かしいですね」

努力はすぐに実を結ぶ。