争点となった「強盗致死罪」の成否
今回の裁判では、弁護側は強盗致死罪の成立自体は争っていませんでしたが、暴行の途中から金品を奪う意図が生じたケースであったため、裁判所は「暴行によって死亡結果が生じたといえるか」について補足説明を行いました。
【解剖医の証言から認定した内容】
被害者の死因は外傷性ショックであり、外傷によって出血多量により全身へ血液を送れなくなること、あるいは全身の臓器が酸素などを使用できなくなることによって死に至ったものであるから、第1暴行から第3暴行までの一連の暴行による全身の出血は全て死因に関係している。
最も出血が多い部位は頭部顔面で、出血量全体の6割ないし7割を占め、意識障害を生じさせる程度の出血があった。
第1暴行及び第2暴行時に撮影された動画等では、外傷がほとんどないという状況で、被害者が問題なく会話をすることができており、暴行に対して防御をすることが可能な状態であったと考えられることからすれば、第2暴行までの暴行で、特に大きな脳機能の障害も生じておらず、死に至るような外傷を負っていたとは考えられない。
第3暴行時に撮影された動画では、徐々に顔の出血が広がって、衰弱している様子が見て取れることからすると、死亡への寄与が大きいのは第3暴行であったと考えられる。







