《「クマの分布は恒常的に市街地まで…」メスの割合上昇が影響》

 こうした状況の中、道立総合研究機構では、体毛やフンなどからDNAを分析し、クマの分布や行動の変化を追跡しています。札幌の市街地や近郊に生息するクマのDNA鑑定を詳しく分析し、研究した結果、興味深いデータが浮かんで来ました。

2014年までの5年間、メスの割合は30%でした。ところが直近の5年間では53.5%までに上昇。この割合の変化に、いま研究者は注目しています。

道立総合研究機構自然環境部釣賀一二三シニアアドバイザー
「最初は分散過程の若いオスが、市街地周辺に出てくるのが普通ですが、メスの個体がたくさん出て来るということは、かなり市街地までクマの分布が恒常的な形で迫っていることになります」

「生まれる子供はメスと行動するので、例えば、メスがあまり人を気にしない個体だったり、家庭菜園に定着したりすると、その行動は子供に伝わっていくので、問題を起こすことになっていきます」