釧路湿原周辺でのメガソーラーの建設計画が中断している大阪の事業者が、市の条例で「届け出制」から「許可制」となる2026年1月を前に、10か所余りの計画地で工事を開始する方針を示し、一部の地域の住民から反発の声があがっています。

22日に工事が始まった釧路市昭和地区の計画地では、希少動物の生息調査が不十分として市が再調査を求めていました。

事業者の「日本エコロジー」は現在、釧路湿原周辺を含む市内14か所にメガソーラーの建設計画を進めていて、このうち昭和地区の1か所を含む11か所でこれまでの計画を変更し、年内に工事を開始する方針を示しています。

釧路市は、2026年1月1日から条例でメガソーラーの設置を「市長の許可制」に改正しましたが、日本エコロジー社は、希少動物の調査について繰り返し調査を行ったにも関わらず、再調査を求める市の審査体制に不信感を抱いていて、年内工事に踏み切ったとみられています。

大楽毛 橋西町内会 本間一義 町内会長
「何の連絡もなしに12月から仕事かかりますからってことだったので、これはちょっとおかしいんじゃないかと」
大楽毛(おたのしけ)地区も年内に工事を始める対象の一つです。
20日に住民からの要望で開かれた説明会では、年内に工事を始めたい「日本エコロジー」と、希少動物などへの影響を懸念する住民との意見はかみ合うことはありませんでした。

大楽毛地区の住民は…
「どうして今月中に着工しなきゃいけないのかの質問に対し(日本エコロジーは)『とにかく今月中に着手しなければいけない』という、会社都合の話だけ一方的に来た。条例の変更前に1つでも手を付けたいがための草刈りとしか思えない」

日本エコロジー 大井明雄 営業部長
「夏に草刈りするよりも雪降っている時のほうが、草刈って散らばらないのでいいとか言うことも。私は専門家じゃないので。そういうことの選択もあるみたい」
大楽毛地区では住民との溝は埋まらないまま、日本エコロジーは、24日から計画地の草刈りなどの作業を始めると町内会に伝えたということです。







