札幌・白石区のスイーツ店が10月、ある南国で親しまれているお菓子の販売を始めました。
トロピカルな味わいに秘められた作り手たちの思いとは。


サツマイモの優しい甘みが広がるスイートポテトや、お餅のように伸びる不思議な食感のチーズケーキ。

ここは、札幌市白石区に本店を構える「わらく堂スイートオーケストラ」
10月、商品に新たな仲間が加わりました。

インドネシアの伝統的なお菓子「ナスタル」です。

インドネシア産のパイナップルジャムを、北海道産小麦の生地で包んで焼き上げました。

青山凌太郎 記者
「サクッとしていてクッキーみたいなんですけど、ジャムがふんわりしていて不思議な食感です」

客
「パイナップルのジャムって珍しいですよね、食べやすかったです」

なぜ、インドネシアのお菓子を作り始めたのでしょうか?

実は、こちらの工場では人手不足を背景に特定技能をもつインドネシア人を受け入れていて、現在は約80人の従業員のうち、10人がインドネシア人です。

スイートオーケストラ 関根康功 工場長
「これから先、どんどん働き手が少なくなっていく中で、海外の人を入れて(一緒に)働くという決断をしました」


ミラさんとアアンさんは、北海道石狩市の語学学校で3年間日本語を学んだあと、この工場にやってきました。

アアンさん
「お菓子を作るのが好きだから、会社の製造工程を学びたい」
工場長の関根さんは、向上心あふれるインドネシアの人びとと働くうちに、彼らの文化に関心を持つようになったといいます。

スイートオーケストラ 関根康功 工場長
「インドネシアのスタッフの方たちがこういうお菓子あるよって自分たちの家で作って持ってきてくれてから、食べてみたら『美味しいね、うちの会社でも作ってみたいな』と思った」

ミラさん
「(ナスタルを)家族と一緒に食べる時間が温かい雰囲気を感じると思います」

インドネシアでは断食明けやクリスマスなど特別な日に食べるというナスタル。
国の枠を超えて共に働く作り手の思いが詰まっています。

ミラさんとアアンさん
「ナスタル食べてください」







