実りの秋を迎えた今、北海道空知地方の果樹園では収穫直前の果物が狙われた被害が相次いでいます。

品種によっては全滅しているものもあるという被害、いったい何が起きているのでしょうか。

 ここは、岩見沢市の観光農園です。

 地崎観光農園 地崎英樹さん
「普段はビニールをかけているんだけど、ことしは暑くて干ばつで水がなかったので、かけないで置いておいたら…」

オーナーの地崎さんの顔は、何だか浮かない様子です。そのワケは。

 地崎観光農園 地崎英樹さん
「こういうところから潜って入ったり上から来たりして、きれいに食べられてしまった」

 ブドウの房に実がありません。

軸だけになってしまったブドウが農園のあちこちに。

 大きく育ったプルーンにも食べられた跡が。

農園では9月初めごろから目立つようになってきた果物の被害。

誰の仕業なのでしょうか。

地崎観光農園 地崎英樹さん
「これは多分ヒヨドリだと思う」

 「ヒヨドリ」などの鳥が果物を食べていたのです。

ブドウは品種によっては全滅しているものもあり、経営にも大きな打撃を受けています。

 地崎観光農園 地崎英樹さん
「去年に比べたら(収穫できるブドウは)20パーセント位しかないんじゃないかな。どうにか頑張ってやるしかない」

空知地方では、ほかの果樹園でも見られるというこうした鳥による食害。

鳥の生態に詳しい専門家が指摘するのは「山の中の異変」です。

 鳥の生態に詳しい 帯広畜産大学 藤巻裕蔵名誉教授
「今もヒグマも盛んに出ている。山でドングリなどの『なり』が非常に悪く、餌がなくて(マチに)出てきていると思う。ヒヨドリもナナカマド・ヤマグワの実をよく食べるが、そういうものの実りが悪くて果樹園に出てきている可能性はある」

ヒヨドリが本州に渡る時期を迎え、被害はいったんは収まったということですが、異変への対処はさまざまな場面で続いていきそうです。