■事故現場に乗用車で居合わせた男性の証言(1審)
・白バイの赤色灯は点いていたが、サイレンの音は聞いていない
・ドライブレコーダーでは、トラックがウィンカーを点けていたようだが(自分は)見えなかった
・トラックは、真っ直ぐ行くだろうと思った
・太陽がトラックの背にあり、白バイを照らしていた
・衝突の瞬間は見ておらず「バチャーン」という音で気づいた
・トラック運転手は事故直後「白バイを全く確認できていなかった」と自分に話した
■谷口被告への被告人質問(1審)
<弁護人とのやりとり>
・直進の車両を2~3回、確認する中で、遠くに自転車やバイクのような“影”が見えただけ
・あの距離なら曲がれると思って、右折した
・(白バイと認識は?)ありません
・(赤色灯は?)見えません
・(サイレンは?)聞こえません
・事故直後、気が動転していて、警察に「白バイに気づいてなかった」と話した
・帰宅して落ち着いたら、遠くに見えていたことを思い出したので、証言を変えた
・検察からは「見えなかったんだろ?見えた、見えないは、どうでもいい」などとまくし立てられたが「最初は見えた」と話した
・事故直後の状況は、はっきりとは覚えていない
・あの日は仕事で、苫小牧市から雨竜町に向かっていた
・週に1回ほど通る道、時速60キロほどで走行し、右折時は40キロほど
・右折先の乗用車が停止線から出ていて、曲がり切れなさそうだと思い、やむなく内回りしたが、不適切だった
<検察とのやりとり>
・(影を確認してから、どれくらい?)4~5秒あった
・(影を見てから、ずっと影を見続けた?)ずっと見ていたわけではない
・(影が見えた場所は?)橋があって、カーブがあったところの先
・(対向車の速度は?)わからない
・(対向車との距離は?)わからない
・(実況見分で、白バイが2回見えた旨の説明した?)覚えていない
・(先に曲がろうとしたのは、なぜ?)影が見えて、あの距離なら曲がれるだろうと思った
<吉戒裁判長とのやりとり>
・(影のようなものは、どのように確認?)パッと見ではなく、正面を見て
・(ハンドル切る直前の確認は?)記憶がないです…

【札幌高裁は控訴棄却】
谷口被告側は、過失を認定した地裁判決について、事実誤認や法令適用の誤りがあるとして控訴。
今年2月20日、札幌高裁の青沼潔裁判長は「右折6秒前に前方確認し、影のようなものが見えたという被告の供述を信用するとしても、車両の速度や種類は確認できておらず、注意義務は果たせていない」と指摘。
また、「右折開始の直前に前方確認する義務を尽くしていれば、結果を回避する可能性があった」として、弁護側の控訴を棄却しました。
【この記事の画像を見る】
【関連記事】
・時速120キロの白バイ警官死亡、右折のトラック運転手に猶予付き有罪判決…札幌地裁「白バイの高速度が重大な結果に及んだことも否定できないが、職務に従事中で、さしたる過失はない。予見は可能だった」⇒無罪主張の運転手側は控訴
・時速120キロの白バイ警官死亡、右折のトラック運転手に禁錮1年2か月を求刑…無罪主張の運転手側「予見には限界、今回の速度は通常考えられる速度ではない」警官の妻も法廷に立ち「警官である前に1人の人間なのに、バッシング」
・白バイ警官死亡事故、初の被告人質問は異例の“延長”へ…120キロで直進と右折で衝突、トラック運転手「遠くに自転車やバイクのような“影”が見えただけ。あの距離なら曲がれると思った」
・時速120キロの白バイ警官死亡、唯一の“現場目撃”証言「トラックは右折せず、直進と思っていた」呆然のトラック運転手「白バイに全く気づかなかった」
・死亡した白バイ警官、最高速度100キロの“通達”の中…120キロで直進して衝突、右折のトラック側「高速のバイクの接近を予見し、回避は不可能」