■介護報酬の改定で自身の給料減らし対応
4軒を周り終えて帰宅したのは、午後4時ごろ。朝から働き続けた佐藤さんの楽しみは、晩酌です。
夫の佐藤光公さんは、一緒に晩酌をしながら妻・郁子さんについて語ります。

・夫 光公さん(70)
「同期の集まりがあったとき、なんて言ったと思う?84まで働くからねって」
・佐藤郁子さん
「介護をしていた人が、おばあちゃんだが84歳までラーメン店をやっていた。その人を目標にして働こうと思って」
そんな佐藤さんの思いをよそに「介護報酬の改定」がなされました。
介護サービスを提供する事業所に対しては自治体から報酬が支払われますが、2024年の改定で、訪問介護の報酬が引き下げられたのです。
・佐藤郁子さん
「(介護報酬を)減らされたからといって、勝手にヘルパーの給料を減らすことはしたくない。その分自分が何かをすればいい」
従業員の給料を維持するため、自分の給料を半分以上カットし、赤字にならないようにしています。
実は、介護報酬全体では、プラスの改定でした。
しかし訪問介護は、ほかのサービスよりも大きな黒字だったため、利益の差を埋めるためにマイナス改定となったのです。