Aさん(81)
「手だってこれ、(肌が焼けて)真っ黒だよ。自転車乗るからね。すごいでしょ。(ハンドルを握る)ここだけ白い」

Aさんの日課は、自転車での散歩。81歳とは思えない脚力です。

 実はAさん、施設に来てからも、何度か万引きをしてしまいました。

施設はチラシを配り、地域の人に協力してもらえるよう説得しました。

認知症の人を犯罪者にするのではなく、周りの目で守っています。

 自転車に乗るAさんに記者がついて行きますが、置いて行かれてしまいます。

記者
「すみません。待っててくれて、ありがとうございます」

自転車が大好きだというAさんですが、一時期、迷子になってしまうことも。

取材していたこの日、1時間たっても施設のまわりで姿が見えませんでした。

すみれの花 西田和弘 施設長
「自転車に電話番号、住所などすべて書いてある」

Aさん、無事に帰って来ました。

(どこら辺まで行っていた?)
Aさん(81)
 「この辺ぐるっと…」

その翌日は、あいにくの雪。

(大好きな自転車は?)
Aさん(81)
「乗らない。雪だからダメ」

大好きな自転車も断念。

すみれの花 西田和弘 施設長
「夏だと午前3時半、4時とかに出て行く。朝ごはんにいない。どうしたのかなって思っていると、午前8時ごろに石狩の消防署や、小樽の警察、定山渓、新千歳空港を越えて奥まで」