■駆除要請に難色を示す背景に高裁判決「発砲は違法」

今、北海道猟友会は、自治体からのヒグマ駆除要請に難色を示しています。異例ともいえる今回の検討の背景には、猟友会砂川支部の池上治男さん75歳が提訴した裁判があります。
北海道猟友会砂川支部 池上治男さん(75)
「警察官も市の職員もいたんだよな。ここは住宅密集地域じゃないから(発砲の)許可も得てるし、どうしても撃ってほしいということで駆除しろと」
2018年、砂川市の要請を受けてクマを駆除した池上さんは、その後「銃弾が住宅に届くおそれがあった」として北海道公安委員会に猟銃所持の許可を取り消されました。
池上さんは「クマの背後には斜面があり、銃弾が住民に当たる可能性はなかった」として処分の取り消しを求め提訴。
一審の判決は、池上さんの訴えが認められましたが、先月、札幌高裁は「クマを貫通した銃弾が跳ね返り建物などに到達する恐れがあった」として発砲は違法だったと指摘。一審判決を取り消し、池上さんは逆転敗訴となりました。

北海道猟友会砂川支部 池上治男さん
「安全を確保した状態でない限り発砲しない。そこに人がいるところに撃つわけないでしょ。そんなことを平気で判決理由に書くところは理解できない」
