1審の旭川地裁は、求刑どおり懲役25年の判決(去年12月1日)

 検察と被害者側、被告と弁護側の主張、説明する事実関係が異なる中、迎えた12月1日の判決公判で、旭川地裁は「被告の証言は信用できない。犯行は残忍」として、求刑どおり懲役25年を言い渡しました。

 ちなみに、被告宅の玄関モニターは、監視機能があるだけで、映像の録画機能がなく、被告の証言を裏づける証拠にはなりませんでした。

■1審の判決理由

・妻のBさん、小学生の娘、隣人Xさんの証言は一致しており、信用できる
・被告人の証言は信用できない
・人を死亡させる危険性の高い犯行で、殺意が認められる
・犯行時は急性ストレス障害が一定程度あったが、完全責任能力あり
・犯行中もAさん、Bさんを認識できていた
・子どもの“いたずら”があったとはいえ、常軌を逸した犯行
・真摯な反省は見られない
・犯行は残忍で、結果は重大

札幌高裁での控訴審では、涙を流しながら謝罪くり返す(4月25日、廷内スケッチ)

 この判決を不服とし、川口被告は控訴、4月25日午後、札幌高裁で開かれた控訴審では、1審で謝罪せず、反省の態度が見られないと指摘されたのは、弁護人(控訴審では変更)から「記憶がないなら、謝罪は必要ないと指示されたためで、本意ではなかった」などと説明。

控訴を棄却された川口被告(4月25日、廷内スケッチ)

 そして、引き続き「当時の記憶はない」としながらも「大切な命を奪ってしまった。大きな傷をつけてしまった奥さん、お父さんを亡くしたお子さんに申し訳ないことをした」と、涙を流しながら謝罪をくり返しました。