北海道の当別町で、赤ちゃんポストを開設して2年。活動を巡って行政とは対立が続いてきました。北海道庁

開設時から道は施設に対して“医療体制が取れていない”として、赤ちゃんポストの運用の自粛要請を【22回】に渡って出してきました。

今年1月、坂本さんは独りで出産した未婚の母親2人から、匿名で新生児2人を預かりました。

しかし、母親が医療機関を受診できておらず、児童相談所の判断で、新生児は、医療機関へ搬送することになりました。

受け入れ先の医療機関を探すのにも、問題が起きているといいます。

当別消防署 救急課 小出謙二主幹
「当別町の立地から搬送医療機関が札幌市が主になるが(新生児の搬送に)必要な情報共有が滞ってしまう場合があって時間がかかった。救急業務とは違うところで問題が発生しているように感じている」

一方、坂本さんに医療機関と連携する考えがないのかを尋ねてみると…。

当別町で赤ちゃんポストを運営 坂本志麻さん(49)
「特定の医療機関だけに、負担をかけるのはよろしくないと思っています。みんなが“我が事”として、手を差し伸べる形が本来の姿じゃないかなと思います」

北海道 保健福祉部子ども政策局 東幸彦局長(記者会見 2月)
「新生児ということがあり医療機関に速やかに受診してもらうことが必要だった」

道は、坂本さんに対して、妊婦や乳児の「受け入れの中止」を求めたのです。

中止要請に反して活動を続ける坂本さん。行政など公的機関に抵抗感を持つ、匿名を強く望む女性たちの存在を訴えます。

当別町で赤ちゃんポストを運営 坂本志麻さん(49)
「本当であれば、北海道が匿名窓口、公的機関ができる形の“内密出産”を実践してくれたら、私が素直に中止要請に従うことができるようになる」