現場となったホテル

 今回の鑑定結果をもとに、例えば、田村瑠奈容疑者が、現場のホテルの部屋の出入りで「服装を替えていること」、事件前に「ナイフやのこぎりを購入していること」、手袋を着用して「指紋を残さなかったこと」などの行動の計画性や一貫性、刑事責任能力などが、判断されることになります。

元東京地検検事 中村浩士弁護士
「非常に微妙な案件かなと思う。それ故に、6か月という異例な長期間を設けて、慎重に鑑定したんだと思う。瑠奈容疑者については、どういった精神状態であったと、またそれがどのように影響したかという、まさに本当に鑑定意見の内容によりけりかなというふうに思う」

 一方、鑑定の最前線に立つ賀古勇輝センター長は、最後にこう付け加えました。

北大病院附属 司法精神医療センター 賀古勇輝(かこ・ゆうき)センター長
「精神障害がある人でも、責任能力に影響を及ぼす人はほぼいない。世の中の人は誤解するけど、(精神障害がある人が)不起訴とか無罪になると『精神障害だからって無罪になってけしからん』と炎上しますけど、精神障害ある人ほとんどが普通に裁かれて、刑務所に行く」

これまでの動き

 3月6日には、検察官が起訴か不起訴かの判断を示す「勾留期限」という大きな節目を迎えることになります。