2か月で7回の手術 感染経路は不明…

上林さんは2か月間入院し、壊死した部分を切除し洗浄したうえで、太ももの皮膚を移植する手術を合わせて7回うけ、3か月のリハビリを乗り越えました。

跡は残るものの、日常生活に支障がない程に回復しました。

(上林喜章さん)
「(感染することは)交通事故より確率が、もっと低いので。運がなかったというと言い方は悪いが、たまたまですっていう。ここまで回復するなんて夢にも思っていなかった」

実は「人食いバクテリア」の患者は去年(2023年)に過去最多となり、全国で941人に。

なぜ増加しているのか医師に聞いてみると…。

(川崎医科大学附属病院 中野貴司 医師)
「『溶連菌感染症』全体が増えてきた中で、一定数の重症化する『劇症型溶血性レンサ球菌感染症』も増えてきている」

「人食いバクテリア」の主な病原体は、子どもに多く流行する「溶連菌」です。

感染者の一定割合が劇症化するとされますが、新型コロナの規制緩和などで溶連菌に感染する人自体が増えたことにより「人食いバクテリア」の患者も増えたとみられます。

ただ、劇症化するかどうかの違いは…。

(川崎医科大学附属病院 中野貴司 医師)
「残念ながら現状では、まだ(原因は)わかっていない。この『溶連菌』にかかった方の一部は、とても重いタイプの感染症になる」

上林さんは感染経路も、はっきり分からないといいます。

誰でも感染する可能性がある「人食いバクテリア」。

厚生労働省は「手や指の消毒」や「せきエチケット」といった対策の徹底を呼びかけています。