「勇気と希望をもらった」“同性婚訴訟”名古屋で違憲判決

オランダやアメリカ・フランス・台湾など、世界35の国と地域で認められている同性婚ですが、日本はG7各国の中で唯一認めていません。そんな中、全国5か所で婚姻の平等を求める「同性婚訴訟」が続いています。今のところ、名古屋を含む4つの地裁で「違憲」、もしくは「違憲状態」との判断が示されています。名古屋地裁の判決の日、谷村さんも傍聴に訪れていました。

(谷村祐樹さん)
「勇気と希望をもらった。“違憲”と言っていただいて、味方になってもらったような気がした」

LGBTQ関連の裁判では2023年10月、最高裁でトランスジェンダーが戸籍を変更する際、生殖能力をなくす手術が必要なのは「違憲」だという判断も示されています。名古屋では広く同性カップルの現状について知ってもらおうというイベントも開かれました。そこには、結婚セレモニーを上げた谷村さんたちのパネルも。

(ミッレ・フォーリエ法律事務所 堀江哲史弁護士)
「憲法違反だとはっきりと裁判所が認めたことは、当事者を力づける判決だったと思う。100人いれば100通りの性的志向、性自認があるなかで、特定のあり方だけ差別的に扱うのはおかしいという考え方が、もっとしっかり広まっていけばいいと思う」

(谷村祐樹さん)
「自分が誰か人生のパートナーを見つけるなんてことは、もうできないだろうなと思っていましたし、結婚とか、家族をつくるとか、子どもとか、そんな選択肢はないものなんだな、自分一人で自立して生きていかないといけないと、結構小さい頃から思っていた」

(中村文亮さん)
「無いものばかり見て生きてきた時期があったから、すごく苦しかったし、自分には未来がないと思うことがあった」

2人での生活が始まっても、「社会の壁」がなくなったわけではありません。年を重ねれば、看取りや相続などの現実に直面することは増えてくると考えています。いつか必ず「壁」を痛感する日がくるという覚悟もしているという2人。差別なき社会を作っていくことは、国の責務であることは言うまでもありません。

CBCテレビ「チャント!」11月27日放送より