■『ドン横』で出会った17歳の少女「家出をしている」 ここに来たワケは

記者は閉鎖直前の取材で、『ドン横』にいた17歳の少女から話を聞くことが出来た。
少女は「3か月ほど前から家出をしている」と言う。そして…
少女(17)「お母さんがお父さんの遺産目当てで結婚しているのがわかって。私を作ったのも、その人と結婚するためにみたいな…」
家から持って出たのは、ショルダーバッグがひとつだけ。バッグの中身を記者が聞くと…。
少女(17)「パンツと味噌汁とメイクポーチと財布です」
これからどこでどう暮らしていくというのか?どうして親子離れ離れにならなければいけないのか…。彼女は生活費を稼ぐために「ツイッターを使って“パパ活”している」と切り出した。
■“パパ活”で食いつなぐ少女の生活「コスプレとか泊まりとか…」

少女(17)「たまにめちゃ良い人で5万円の人とかもいる。でも要求がすごくて、コスプレとか泊まりとか…。私はお金がほしいからいいけど」
記者「危険な目にあったことはない?」
少女(17)「ホテルの約束だったのに車内でやられてお金も払ってくれないので逃げてきました…」
少女とのやりとりの中で、記者はツイッター上での“パパ活”の文章を見せてもらっていた。
記者「#p活募集 ホ別(ホテル代別) イチゴ(1万5000円)
こうした隠語を使って客とやり取りをしていました。1回のツイートで約10人からメッセージが来るそうです。
少女は『お金がない日には朝から晩まで7人の男性を相手に、10万円近くを稼いだこともある』と話していました。
警察のサイバーパトロールに目を付けられないようにするためか、プロフィールの年齢は20歳と偽っており、私と同じくらいの年代の会社員を相手にすることがあると聞いて驚きました。
少女は、『ドン横にいれば誰かが話しかけてくれるから寂しくない』と話していて、取材したこの日も、多くの男性に声をかけられていて、最終的には『会うのは2回目』だという男性とともに夜の街に消えていきました。」

実際に『ドン横』に集まる若者たちが犯罪に巻き込まれることもあった。
6月。「ドン横の王」と名乗る男ら2人が16歳の少女にみだらな行為をした罪で、罰金50万円の略式命令を受けた。その20歳と24歳の男は『ドン横』に来た少女をホテルに誘った…。
『ドン横』閉鎖前日の夜に話を戻す。記者はとある少女とこんなやりとりをしている。
記者「きょうは何時からいるの?」
少女「朝からいる」
記者「ドン横が閉鎖されるが?」
少女「普通に悲しい」
午後10時すぎ。
『ドン横』には30人ほどの若者が集まっていた。路上に寝転んだり、花火をしたり…。
そして、記者が出会った一人の少年は、かばんの中から大量の市販薬を取り出した。
それを一気に飲んで気持ちよくなるのだと言う。