単なる「穴埋め」?“非正規雇用”が壁となり復帰を断念…

人手不足の教育現場に、やる気のある人を呼び込もうという国の政策は、一見“Win-Win”のようにも見えますが、教育の専門家は疑問を呈します。

(愛知教育大学学長・野田敦敬さん)
「数をどれくらい確保できるかが難しい問題。今の仕事を転職してまでって言うのは、それほど数は期待できない」

ペーパーティーチャーを対象にした説明会でも、すぐに働ける非常勤講師の登録は受け付けていましたが、あくまで目先の人手不足を補うため。腰を据えて教師として採用することは、想定されていません。教員免許も持参する意気込みを見せていた専業主婦の加藤さんは…。 

(ペーパーティーチャー・加藤咲実さん)
「場所が遠かったりとか、日程的なことで希望するところは駄目だった」

空きが出たときにだけ呼ばれる仕組みだったり、通勤に1時間以上かかる場所だったりと教師が足りないと言っている割には、単なる穴埋め要員を求めていることがわかり、結局復帰に踏み切れません。長年教師になる夢を抱き続けてきた牛島さんも、非常勤では難しいといいます。

(ペーパーティーチャー・牛島さん)
「(現在の職場で)正規雇用で雇ってもらっている中で、非常勤では生活が成り立たない」

両親を支えながらの生活で、正社員の立場を捨ててまで教員の道を選ぶことは難しく、結局牛島さんは教員の道を諦めました。

日本の次世代を担う子どもたちの成長に欠かせない「教育」。その担い手を、一時しのぎで補充することが果たして妥当だと言えるのでしょうか。教師が3K職場とされる中、待遇や働く内容の見直しも含めた、抜本的な対策が求められます。

CBCテレビ「チャント!」9月6日放送より