おびき寄せるワナに試行錯誤
愛知県豊橋市によりますと、市では昨年度、ヌートリアによる作物の被害がおよそ120万円に上ります。また他にも、恐るべき繁殖力で増え続けるアルゼンチンアリなど「特定外来生物」に悩まされている現状があるのですが、これらを駆除するにはある問題が立ちはだかります。
(豊橋市環境保全課 村田理行課長)
「特定外来生物の目撃情報が多くて、どうにかしたいと思っていたが、限られた予算ではなかなか防除が進まなかった」
これまで、「特定外来生物」の駆除は、生態系維持のため国が主体でしたが、ことし4月の法改正で市町村も駆除が“努力義務”になりました。
これを受け、国は交付金を増やして、自治体の駆除活動を後押しすることになりました。

(豊橋市環境保全課 山崎健さん)
「法律が改正されたので(駆除を)事業としてやっていく」
自らヌートリアの駆除に乗り出した豊橋市。おびき寄せるためのワナにも試行錯誤を重ね、設置からおよそ1週間後にヌートリアの捕獲に成功しました。


(広域狩猟連合豊橋 平野二義会長)
「(ヌートリアは)家族単位でいるので、1匹捕れたということは、あと2、3匹は続けて捕れる」
(環境保全課 山崎健さん)
「きのうもヌートリアの目撃情報があって、市内全域で分布していると感じている。今後も駆除していく必要がある」
あまりの多さに国だけでは対応が追いつかない「特定外来生物」。「今そこにある危機」に、自治体自らの取り組みが急務となっています。