「『お母さん、ちゃんとしつけていますか?』とものすごく言われた」

(水月さん)
「気持ちがわかる人たちと感情を共有するのは、すごく大切だし有効だと思う」

発達障害がある人やその家族の支援活動を行う水月ひなたさん。活動を始めたきっかけは、自らのある経験でした。

(水月さん)
「私の場合は子どもがすごくわかりやすい発達障害」

長女の りなさん(仮名)は、中学3年生の時に発達障害と診断されました。

(水月さん)
「学校から逃げ出すとか、授業をしていて嫌だったら逃げちゃうとか、思いがけない行動に出たりするので毎日ひやひやしていた」

りなさんは発達障害と診断されるまで学校ではただ単に問題児として扱われ、水月さんとの親子関係も良好とは言えなかったといいます。

(水月さん)
「『学校でできないのは親のしつけが悪い』『お母さんちゃんとしつけていますか?』とものすごく言われた」

水月さんには、月に1度必ず訪れる場所があります。

(水月さん)
「子どもはこのお墓に眠っている。長女は2005年に亡くなっている」

水月さんの長女・りなさんは中学3年生の時に建物の5階から転落。発達障害と診断されてから、わずか半年後の事故でした。

(水月さん)
「当時、発達障害がわかってからは、かなりコミュニケーションはうまくいっていたが、もうちょっと一歩踏み込んで話していたら、事故は防げたかもしれない。自責の念でしかない」

当事者ですら気づくことが難しく目には見えない障害、発達障害。しかし、周りの人たちが見方を変えることで、救うことはできると水月さんは話します。

(水月さん)
「(長女が)心療内科にかかった時に『典型的なアスペルガーです』と言われたんです。その時に子どもが『なんでもっと早くわからなかったの?』と言って…私のようになくしてから後悔することはたくさんあるので、少しでも理解すればそれは変えられるので、(支援活動が)そういった人たちのお手伝いになればと思っています」

2021年6月「チャント!」放送