バンクシーはそんなにステンシルの数を使わないですけれど、私の場合は少なくとも7層、8層ぐらいは重ねて、色も何十色も使っていくのが(バンクシーとは)違います」

作業はまずパソコンで絵を描いた後、輪郭や色合い別にいったんバラバラに分解し、何枚もの版(はん)を作っていきます。


手作業で切り抜いていきますが、これには何か月も費やします。そして、複雑に切り抜いた版を重ねて色を付けていくと、壁の上に生き生きとした“主役たち”が現れるのです。


瑞穂市の広場の作品には、みんなの“願い”を表すカラフルな星たちとともに、ゴリラやキリンなどの動物や子どもたちが描かれました。ここに8月、地元の子どもたちが“星”を描き足して、作品を最終的に完成させます。

“田舎”から発信する醍醐味とは


(ロームカウチさん)
「ニューヨークであったりとか、ロサンゼルスであったりとか、東京であったりとか、そういうところだけではなくて、今の時代だったらどこからでも発信できる。


田舎っていうか、本当にアートのことに精通していなくて予備知識がない人たちには、ダメだと思われたらずっとダメだし、すごいと思われたらすごいというか。ストリートアートの醍醐味ともいえますが、ピュアにジャッジしてもらえる。


通勤や通学のときに見て、少しでもポジティブな気持ちになってもらえたら。ゲームを作る、プラモデルを作る、本を書くなど何でもいい。自分の好きなことをする“きっかけ”に私の作品がなってくれたらうれしい」


ロームカウチさんの作品の数々…。のどかな町に、今や欠かせない「風景」になっています。