「あの戦争は間違いだった」美保子さんの思い


「帰ってきた兵隊さん=横井さん」は、戦争の記憶が薄らいでいる日本国民には衝撃的な話だった。そして、28年のジャングル生活を送った「戦争の犠牲者」横井さんを包み込んだのが美保子さんだった。

帰国してすぐに横井さんが入院した国立東京第一病院の医師団は、84日間の入院期間中に出した結論として、「良き伴侶と巡り合いサポートしてもらうことはこれからの横井さんの人生の最も大事なことである」としていた。

美保子さんは、その横井さんが亡くなったあとも、一貫して「あの戦争は間違いだった」という立場を表明し、「戦争をやっては絶対ダメ」と筆者にも繰り返し話してくれていた。当然、ウクライナ侵攻には胸を痛めていた。

終戦から77年になる今年、語り部として大きな存在だった方がまたひとり、天国に。思慮深く、優しく、とても上品な語り口に敬服していた。

少しでも美保子さんの思いをつなぐことが出来たらと思う次第。
安らかに、そして、ありがとうございました。 

CBCテレビ 大園康志