廃棄に多額の費用が掛かるのは牛乳以外にも…被害額は約1億円
そして、廃棄に多額の費用が掛かるのは牛乳だけではありません。
(大石アンカーマン)
「この棟も水に浸かったんですね」
(黄木牧場 黄木俊一さん)
「これがエサの(機械の)ほうですね」
「この『夢』という字のちょっと上くらいまで、水が来ている」

エサが入っていた機械も水没。
中の配合飼料15トンや草36トンの廃棄に400万円。


エサを牛舎まで運んでいた機械も使えなくなり、従業員が、毎日1トンものエサを手で運んでいます。

(従業員)
「結構重いです。20キロ以上あるので…」

(大石アンカーマン)
「エサも牛乳も全部自動だったのが、それが手作業に…」


さらに深刻な被害が…
(黄木牧場 黄木俊一さん)
「こっちも全部水につかってしまって、従業員が取ってはいるが、まだ上の方に多少ゴミは残っている」
牛のふんから堆肥を作り、それも商品として出荷していましたが、水に浸かったことで文字通りすべてがゴミに。

(大石アンカーマン)
「本当はこんなふうに、水は貯まらないですね?」
(黄木牧場 黄木俊一さん)
「堆肥化して乾いていれば、こんなことにならない」

たい肥とフンを全て廃棄するには、実に1000万円もかかるといいます。

牛乳が出荷できず、売上が立たない中でのしかかる多額の廃棄処理費用。機械の修理費も含めると被害総額は約1億円に上る見込みです。

今回の水害を受けて、周辺の牧場を見回っている獣医は…
(NOSAI愛知 杉浦正則 獣医師)
「ストレスがかかったとき、出荷する基準で、乳の成分の中で異常乳が出ることがある。実際に出荷するときに、検査がクリアできるかが心配」

完全復旧には、1年近くかかるという中、黄木さんは…

Q.「エサ代も高い、光熱費も高い、経営圧迫の中のこの大打撃でしょう。やっていけますか?」
(黄木牧場 黄木俊一さん)
「やれるところまでやって牛を守ってあげたいという気持ち。辞めるのは簡単ですけどね」

2023年6月15日放送 CBCテレビ「チャント!」より