「こんなに早く指導が終わるの?」分担制で教師自身も余裕が持てるように

子どもたちと向き合う以外の業務も山積みの教師。しかし、「担任チーム制」の導入後は、平均して月に10時間も残業時間が減ったといいます。

(土屋裕樹先生)
「1人で自分のクラスだけでやっていると、授業後にあれこれある中で保護者に電話したり。(午後)6時、7時に電話することはよくあったが、今だと動ける人がやるので、4時くらいに職員室に戻ったら(別の教師が)『もう電話しておきました』『ありがとう』みたいな。こんなに指導が早く終わるの?(と思った)」

3クラスを5人の教師が担当することで、2人の教師が担任を外れます。この2人が書類作成や保護者対応などの雑務を分担して行うため、一人一人の負担が軽減される仕組みです。

午後0時半、土屋先生はこの週担任を務めるC組の生徒と一緒に、ランチルームで昼食。生徒の様子を見ながら食事をとります。

一方、この週の担任を外れていた加藤竜太先生は、昼食中も職員室でパソコンを使った事務作業です。こうした分担ができる事で、格段に楽になったと言います。

(加藤竜太先生)
「(Q(担任の)空きの週があるのはどうですか?)最高ですね。担任の時は『とにかくまず教室に行って』みたいな感じだったんですけど。空きの週があると、この週にこの仕事をまとめてやろうとか。空いた時間が多くできるので、ありがたい」

生徒にとってもメリットがある反面、教師にジレンマも

東京の例を参考に、担任チーム制を導入した高橋幸夫校長は、この制度で生徒にも変化が起きていると言います。

(八幡中学校・高橋幸夫校長)
「自分たちでクラスをつくっていこう、自分たちで行事を考えていこうという思考に生徒がなっていくので。主体的に思考することが最大のメリット」