試合中に左足がしびれて感覚がなくなっていった…「明らかにおかしい」

22年9月、試合中に左足がしびれ、1週間もしないうちに、足の付け根から感覚がなくなっていきました。
(中日ドラゴンズ 福投手)
「ヤクルト戦で投げて、明らかにおかしい。(足の感覚が)試合中に完全になくなっちゃって。1アウトも取れず、2点取られた。2日後くらいにはもう病院に行って…」

検査の結果、『黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)』と診断されました。

靭帯の一部が骨となり、背骨の神経を圧迫する、国指定の難病で原因も分かっていません。
(福島医科大学 加藤欽志講師)
「この黄色靭帯骨化症という病気自体が東アジア人、特に日本人と韓国人に多いと分かっています」

主に50代から60代で発症すると言いますが…
(福島医科大学 加藤欽志講師)
「20代とか30歳ぐらいで発症するケースは極めて珍しい。世界中でも、日本人の男性の野球選手にしか、医学文献上、報告されていない」
「過去のプロ野球選手でも、重症な方だと(症状が)完全に回復しなかったり、しびれが残ったりした選手が何人もいると聞いている」
引退したプロ野球選手も過去にはいました。

福投手は22年10月に手術を受け、成功。
23年2月の沖縄キャンプでは、実戦的練習に参加できるまで回復していましたが、桜が開花した頃に開幕した二軍戦には、間に合いませんでした。

SNSトラブルや国指定の難病、度重なる壁に福投手の妻は…。
(記者)
「『なぜ夫にばっかりこんなことが起きるんだろう』って思いませんでしたか?」
(福投手の妻)
「それは思わなかったですね。色んなことを乗り越えたからこそ今がある、と思ってるんで。そこはもう、そういう運命だなと思っています」

福投手自身は、度重なる不運を嘆いて、やけを起こすことはなかったのでしょうか。
(記者)
「例えば今独身だったら、野球を辞めていますか?」
(中日ドラゴンズ 福投手)
「ちょっと考えていたと思います。すごく萎えた気持ちで今いるだろうなって、腐ってたなっていう気持ちはありますね。(そうならずにいられたのは)もうそれこそもう家族のおかげですよ」
