1回目の新型コロナワクチンを接種してから約3週間後、突然40度近い高熱が出たという40代の男性がいます。男性はその後、一時意識不明に。意識が戻ると、接種後の記憶がなく、下半身が全く動かなくなっていたと言います。新型コロナワクチン接種との関連はあるのでしょうか?


靴の脱ぎ履きや排泄も困難に

リハビリに励む男性

妻と高校生の長男の一家3人で、名古屋市で暮らしている40代の男性は、2021年10月頃から下半身が全く動かなくなり“靴の脱ぎ履き”にもかなりの困難が伴います。また、トイレで用を足す際には介助が必要です。

診断書を作成した医師は、その原因が新型コロナワクチンにあると考えています。


診断書のコピー

脳神経内科の医師が作成した診断書には、男性の下半身不随について「接種により引き起こされた一連の病態と判断する」とワクチンの“後遺症”であることが明記されています。



「ワクチン接種後の生活の記憶が全くない」

入院中の男性

男性は2021年8月に1回目の新型コロナワクチンを接種しました。

それから3週間ほど経って、突然40度近い高熱が出て、さらに「髄膜炎」や「肺炎」も併発。一時、意識不明になりました。そして意識が回復すると…

(男性)
「今まで自由に動いていた足が全く動かないんですもんね。まず一番最初に思ったのは、今まで好きだった登山ができなくなるなと。ショックでした」

そして、ワクチンを打ったあとの記憶も失われていたのです。

(男性)
「ワクチンを打ちに行ったのは覚えていますよ。けど、それ以降のことを全く覚えていないんですよ」



“下半身不随”と新型コロナワクチンの関連は?

医師の診断は「急性散在性脳脊髄炎」

これは、自分の免疫によって脳や脊髄の神経が傷つけられ、手足が動かなくなったり目が見えにくくなったりする病気です。

実は、インフルエンザやB型肝炎などのワクチンが引き起こす、重い副作用として以前から知られていて、新型コロナワクチンでも留意すべき症状として挙げられています。

2021年度の報告件数は、インフルエンザHAワクチンが2件なのに対し、新型コロナワクチンは60件にも上っています。

日本神経学会によると、早い段階にステロイドを大量投与すると改善が見られる場合もあるということです。



両親「できれば代わってあげたい…」

男性の両親

男性の両親も「何をしてあげたらいいかわからない」と苦しい胸の内を明かします。

(男性の父親)
「できれば自分の思いとしては、代わってあげたいくらい。もうそれしかない」

(男性の母親)
「同じくらいの男の人見ると、(元気だった頃の)息子を思い出してしまう。これからあの子の人生はと思うと…。社会復帰のために一生懸命やっていますけどね。ごめんなさい、どうしても涙が出てきちゃう」

取材中に涙を見せる母親



自己負担額2000万円以上の場合も 国の救済制度は?

国の救済制度 給付の流れ

新型コロナワクチンの副反応については、国が治療費を負担する救済制度もあります。申請を受け付けているのは各市町村

その窓口でどのような判断がされているのか、名古屋市の場合を聞きました。

(名古屋市担当者)
「市の調査委員会では8名の有識者の方が、患者さんの状況などを審査します。市としては、因果関係が肯定的・中立的・否定的というような意見を添えて、県・国に上げています」

書類が整っていれば全ての申請が国まで上げられます。認められるかどうかは、やはり国の判断にかかっているのです。
現時点で名古屋市から国へ上がった申請数は62件で、そのうち救済が認められたのは8件。その他はまだ検討中だと言うことです。

(男性)
「(医療費だけで)1000万円近くの費用を払いながら生活しないといけないんですよ。嫁も息子もいるので、ちゃんと養っていかないといけない。将来どうなっていくのか不安」

男性の場合、このまま下半身麻痺が残ると、退院後、障害者用の車への買い替えや家のバリアフリー化などに計2000万円以上の自己負担が心配され、国の医療費補助を強く望んでいます。